CORECというと農家や食品卸のイメージが強いかもしれません。
実際、公式事例には農家の導入例が目立ちます。でもCORECの導入社数85,000社のうち、食品以外の業種が占める割合は相当大きい。製造業、印刷、建材、雑貨、インテリア、繊維。幅広い業種で使われています。
食品以外のCORECユーザーが抱えている課題も、根っこは同じです。受注はCORECでオンライン化した。でもfreeeへの転記が手作業のまま残っている。
この記事では、食品以外の業種でCORECを使っている会社向けに、受注→freee請求書の自動化を解説します。
食品以外のCOREC導入事例
まず、どんな会社がCORECを使っているのか。公式の導入事例から、業種ごとに見ていきます。
製造業
セレンは監視カメラ・セキュリティ製品のメーカーです。家電量販店20店舗超から毎日受注が入る。店舗ごとに注文内容が異なり、品番と数量の組み合わせは膨大。これをFAXで受けていた時代は、読み間違いと転記ミスが日常でした。COREC導入後、受注の正確性が劇的に改善。
山一製作所は精密部品の製造。部品の品番は英数字の羅列で、手書きFAXでは「0」と「O」、「1」と「l」の読み間違いが頻発していた。CORECなら品番をフォームから選択するだけなので、この種のミスがゼロになった。
印刷業
エランテックは名刺・カードの印刷会社。取引先ごとにデザインテンプレートが違うので、注文フォームをカスタマイズして対応しています。
駒田印刷は商業印刷。印刷業は仕様が複雑(サイズ、紙質、色数、部数、加工)で、電話やFAXでは仕様の聞き間違いが起きやすい。CORECのフォームで選択式にすることで、仕様確認の手戻りが減った。
卸売・商社
西日本商工は自動車部品の卸。部品番号での受注が基本で、数千品目の中から正確に特定する必要がある。
ベストワンは輸入住宅建材と太陽光発電部材の商社。Excel発注書とFAXから完全にCORECに移行しました。建材は品目ごとにサイズや仕様のバリエーションが多く、Excelの発注書ではフォーマットが取引先ごとにバラバラだった。CORECで統一。
繊維・生地
山富商店は創業64年の老舗生地問屋。在宅スタッフがCORECで受注処理を行っています。クラウドなので場所を選ばない。出社しなくても受注を確認・処理できる。生地の受注は「品番×色×数量(m単位)」の組み合わせで、品目が膨大です。
雑貨・インテリア
瀬尾商店はインテリア雑貨とオーダー家具。オーダー品は仕様のやりとりが多いので、CORECの注文フォームに備考欄を設けて対応。
**kauniste(Nordic Index)**はフィンランド発の雑貨ブランド。日本の販売代理店がCORECで国内の小売店からの受注を管理しています。フィンランド本国とリアルタイムで受注状況を共有。時差がある拠点間でも、CORECならブラウザを開くだけで最新の受注が見える。
HYPグループはアクセサリーの卸。多品種少量の典型で、1回の注文に数十アイテムが並ぶこともある。
製造業の「受注→請求書」が面倒な理由
食品卸と製造業では、転記の辛さのポイントが異なります。
品番管理の正確性
製造業の受注は品番が命です。「MCB-2040-A3」と「MCB-2040-B3」は全く別の製品。品番を1文字間違えたら、違う製品を請求書に載せることになる。
CORECからfreeeに転記する際、品番を1行ずつ手で打ち直すと、この種のミスが起きる。品番が長い製品(15桁以上もある)では、転記するだけで神経を使います。
ロット単位の発注
「100個入り×3ロット」と「300個」は意味が違う。ロット単位で管理している製品は、数量の単位を間違えると大きなトラブルになる。
CORECの受注データでは「3ロット」と入っているのに、freeeの請求書に「300個」と入力してしまう。単位の変換ミスは手作業で転記しているかぎり避けられません。
検収後の請求
製造業では、納品→検収→請求、という流れが一般的です。検収が終わるまで請求書を出せない。
受注日と納品日と検収完了日と請求日が全てずれる。CORECの受注データをfreeeに転記する際、どの日付を基準にするかを毎回判断する必要がある。
税率は標準10%だが混在もある
食品と違って、製造業の製品は基本的に標準税率10%です。これ自体は単純。
ただし、食品関連の機械や包装資材を扱うメーカーが、食品そのものも一緒に卸している場合は8%と10%が混在します。また、輸出取引がある場合は免税(0%)も入ってくる。
雑貨卸の「受注→請求書」が面倒な理由
雑貨卸には、また別の辛さがあります。
多品種少量
アクセサリー、文具、インテリア小物。SKU数が数百〜数千に達する会社も珍しくない。
1回の注文で30アイテム。それぞれ品名・カラー・サイズ・数量・単価が異なる。月に50件の注文があれば、明細は1,500行。これを手で転記するのは現実的ではありません。
取引先ごとの掛け率
百貨店、セレクトショップ、ネットショップ。チャネルによって卸掛け率が違う。
上代の60%、55%、50%。同じ商品でも取引先によって単価が変わる。CORECで受注した金額をそのままfreeeに転記するだけなら楽ですが、掛け率の設定を間違えていたら請求額が狂う。照合が必要です。
シーズン商品の入れ替え
春夏コレクション、秋冬コレクション。シーズンごとに品目が大きく入れ替わる。
新商品を追加して、廃番商品を削除して、CORECのフォームを更新して、freeeの品目マスタも更新して。この二重メンテナンスが地味に時間を食います。
自動化の手順
業種が違っても、自動化の手順は同じです。
1. SaturnにCORECを接続
APIキーを登録。受注データが自動で取り込まれます。
2. freeeを接続
OAuth認証でfreeeと連携。
3. 取引先マッチング
CORECの注文者名とfreeeの取引先名を自動マッチング。表記ゆれも自動判定。初回だけ確認、以降は自動。
4. 請求書の自動生成
受注データから、品番・品名・数量・単価・税率を自動でfreee請求書に反映。
製造業なら品番がそのまま転記されるので、手打ちによる品番ミスがゼロに。雑貨卸なら30アイテムの明細が一括で転記されるので、1行ずつ入力する必要がない。
5. 確認して発行
自動生成された請求書を確認して送信。必要に応じて金額の調整や備考の追記を行い、発行。
Excel・FAXからの移行を考えている会社へ
ベストワンのようにExcelとFAXからCORECに完全移行した会社もあれば、まだExcelの発注書をメールで受けている会社もあるでしょう。
Excel発注書の問題は、フォーマットが取引先ごとにバラバラなこと。A社はExcel、B社はFAX、C社はメール本文に直接書いてくる。受注チャネルが統一されていないと、転記以前の「受注データの整理」に時間がかかる。
CORECで受注チャネルを統一して、そこからfreeeへの転記を自動化する。これが最も効率的な流れです。
一気に全取引先をCORECに移行する必要はありません。まず受注量の多い取引先から始めて、徐々に広げていく。山富商店のように在宅スタッフでも処理できる体制になれば、人員配置の柔軟性も上がります。
まとめ: 業種を問わず、構造は同じ
農家でも、食品卸でも、製造業でも、雑貨卸でも。CORECとfreeeの間にある「転記」という手作業は同じ構造です。
受注データを目で見て、会計ソフトに手で打つ。品番を間違えないように、税率を間違えないように、取引先を間違えないように。
この作業に毎月何時間かけていますか。
その時間は、製品の改善や新規取引先の開拓に使えるはずの時間です。