Excel に振込先の一覧がある。銀行名、支店名、口座番号、金額。あとはこれを全銀フォーマットに変換して、ネットバンキングにアップロードすれば一括振込ができる。
ここまで分かっていて、「変換」のところで止まっている人は多い。
全銀フォーマットはテキスト形式で、120 バイトの固定長レコードで構成される。ヘッダ、データ、トレーラ、エンドの 4 種類。数字は右詰めゼロ埋め、文字は半角カタカナで左詰めスペース埋め。文字コードは Shift_JIS。
手でテキストファイルを作るのは現実的ではない。何かしらのツールが必要だ。
方法 1: Excel VBA マクロで変換する
最も多いやり方。VBA で各セルの値を読み取り、仕様どおりの固定長レコードを組み立て、テキストファイルとして出力する。
deskworklabo.jp が 5,000 円で販売している Excel テンプレートがある。稼働実績 11 年、委託者数 500 以上。入力シートに振込先を入力してボタンを押すと、全銀フォーマットのファイルが生成される。
自作する場合は、全銀協の仕様書を読み込んで、VBA のコードを数百行書くことになる。桁数の調整、半角カタカナ変換、Shift_JIS でのファイル出力。テスト送信して銀行がエラーなく受け付けるか確認するまでが仕事だ。
動くには動く。ただし、Excel VBA の宿命として、Mac では動かないケースがある。Office のバージョンアップで挙動が変わるリスクもある。そして作った人が辞めたら、マクロの中身を読める人を探すところからやり直しだ。
方法 2: 銀行提供の無料ツールを使う
中国ろうきん、足利銀行などが、Excel ベースの全銀フォーマット変換ツールを無料で提供している。
使い方はシンプル。所定の Excel シートに振込先情報を入力して、ボタンを押す。全銀フォーマットのテキストファイルが出力される。
無料で手軽だが、その銀行の口座を持っていることが前提だったり、ツール自体が Windows の Excel でしか動かなかったり、制約がある。更新頻度も低い。
方法 3: Python スクリプトで変換する
GitHub には Python や Ruby で書かれた全銀フォーマット生成ライブラリが公開されている。CSV ファイルを入力として、全銀フォーマットのテキストファイルを出力する。
エンジニアには自然な選択肢だが、経理担当者が Python を実行する環境を持っていることは稀だ。「振込のためにコマンドラインを開いてください」とは言えない。
方法 4: Saturn で変換する
Saturn はテーブルに並んだ振込データを、ボタン 1 つで全銀フォーマットに変換する。
既に Excel に振込先一覧があるなら、コピー&ペーストで Saturn のテーブルに貼り付けるだけでいい。銀行名、支店名、口座番号、金額の列が揃っていれば、あとは全銀出力のアクションを実行する。
Shift_JIS 変換、120 バイト固定長、半角カタカナ変換。仕様どおりのファイルがダウンロードされる。VBA も、Python も、コマンドラインも不要だ。
さらに、Saturn のテーブルには「その先」がある。Gmail から請求書メールを取り込んで、AI が PDF を読み取って、振込データを自動で埋めてくれる。Excel に振込先を手入力する工程そのものをなくせる。
比較
| Excel VBA | 銀行ツール | Python | Saturn | |
|---|---|---|---|---|
| コスト | 自作 or 5,000 円 | 無料 | 無料 | 月額数千円 |
| Mac 対応 | △ | × | ✅ | ✅ |
| 経理担当者が使える | △ | ✅ | × | ✅ |
| PDF 読み取り連携 | × | × | 要実装 | ✅ |
| 属人化リスク | 高い | 低い | 高い | 低い |
まとめ
Excel の振込データを全銀フォーマットに変換する方法は 4 つある。
VBA マクロは定番だが属人化する。銀行ツールは安全だが制約が多い。Python は柔軟だが経理担当者には使えない。
Saturn はテーブルに振込データを並べてボタンを押すだけ。さらに Gmail 連携と AI 読み取りを組み合わせれば、Excel への手入力自体をなくせる。
振込ファイルの作り方で悩む時代は、そろそろ終わりでいい。
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